K−1 GP '05

一昨日テレビでやっていたK-1はかなり面白かった。誰もが優勝する可能性を秘めていたと思う。個人的にはバンナや武蔵が勝って欲しかった…。まさかあいつが勝とは。
第一戦はレミー・ボンヤスキーチェ・ホンマン。前回の王者対K-1参戦以来無敗の対決だった。ボンヤスキーはデカイ相手を倒すときの定石のヒットアンドアウェイのロー攻めで戦った。ホンマンが距離を詰めてラッシュに来たときにはガードを固めていた。結果は判定でボンヤスキーの勝利。ホンマンは平静を装っていたが明らかに足を引きずっていた…。
第二戦は武蔵対ルスラン・カラエフ。22歳のK-1ルーキーでアマチュア時代には約160戦して約125KO勝ちのつわものだ。二人の持ち味はスピード共にスピード!ルスラン・カラエフは元気いっぱいアドレナリン全開という感じで責めまくった。武蔵はさすが二大会連続のファイナリスト、動じることなく技を見きりブラックジャック(拷問器具。ゴムバット)のように重たいローキックを執拗に浴びせた。次第に相手の動きは遅くなっていった。手数は武蔵のほうが明らかに少なかったがダメージは少ない。判定の結果、微妙だが手数よりもダメージのほうが優先されるので当然か、武蔵の勝利だった。
第三戦は最注目カード、ノスタルジックな潰し合い、ハイパーバトルサイボーグ、ジェロム・レ・バンナ対20世紀の暴君ピーター・アーツ!!アーツは13大会連続決勝トーナメント進出というすでに不滅の記録ではないかという記録を更新し続けている。さらにアーネストホーストに続く連覇を含む三回の優勝経験を持つ彼は史上最多タイの四回目の優勝を狙う!一方のバンナは何度も決勝までは行くものの優勝には恵まれていない無冠の帝王。無冠の帝王といえば清原和博ノンタイトルだがくしくも体格も髪形もほぼ同じで顔もなんとなく似たタイプだ…。母に逝かれ妻とも別れたバンナ…。愛娘のヴィクトリアに勝利をプレゼントしたい!試合はヘビー級とは思えない素早い攻防。二人ともよく動いていて調子は良さそうだ。バンナも
アーツもそれぞれの持ち味であるパンチとキックを大切にしながらK-1ナイズされた洗練したヨーロッパ型の戦い型だ。何度もお互いを見ているだけに戦いやすそうでもありにくそうでもある。相手のしてくることはわかりやすいがこっちが得意のパターンを出すとカウンターを受けそうだ。両者ともダウンはなく延長第四ラウンドまで縺れ込む死闘になった。目のはなせない展開だったが次第にバテが出て来たのかバンナの動きが陰り始め判定でアーツの勝利。バンナ惜しかったなぁ…!KOでこそなかったが非常にアグレッシブで見ていて面白いK-1らしい戦いだった。二人ともさすがだ。
第四戦は南海の黒豹レイ・セフォー巨神兵セーム・シュルト。今大会最大の身長差だ。この試合はもしかしたらセーム・シュルトがこれから創っていく伝説の序章となるかもしれない…。セーム・シュルトといえば212センチの大男だから、レミー・ボンヤスキーチェ・ホンマンに勝ったときのようにやはりローキックで倒すべきだったんだろう。しかしもともとノーガード戦法で有名なレイ・セフォーは目にも留まらぬ速いブーメランフックでカウンターを狙う戦型だ。セフォーのパンチが届かないしシュルトのパンチはリーチがデカすぎてスウェイではきれない。酷すぎる…。セフォーはボコボコにされてしまった。ただセフォーのすごいところは一度も倒れなかったことだ。あれだけやられて倒れないやつはK-1界の中でも彼くらい
だろう。殆ど勝ちは諦めていたように見えたが挑発し続けて判定まで耐え続けた…。
次は準決勝、武蔵対ピーターアーツのはずだったがアーツはバンナとの死闘でアバラ骨三本も持って行かれたため棄権した。負けたとはいえバンナの恐ろしさ、執念が伺える…!リザーバーとして出て来たのはブラジルの極真空手家クラウベ・フェイトーザ。多分あんまり有名じゃない気がする。彼も素早い系だ。武蔵はどちらかというとデカイ相手のほうが得意な感じがする。いっぺん武蔵対ボブ・サップというのも見てみたいかも…。開始早々クラウベが暴れ回りジャンピングニーが炸裂して武蔵は崩れ落ちそのままTKO…。結構強い。
もう一つの準決勝はレミー・ボンヤスキーセーム・シュルト。もともとボンヤスキーシュルトが苦手な感があったが、悪くいうつもりはないがあまりにも何も出来なさ過ぎだった…。シュルトは前回よりも体重を十キロも落とし、本格的なトレーニングをしてきた。考えてみればこれだけでかいやつで本格的な格闘家になったのはかれくらいかもしれない。ジャイアント・シルバボブ・サップは体だけで戦っているという感じだ。これは手が付けられないかもしれない。
勝戦セーム・シュルト対クラウベ・フェイトーザだったがこれもヤバかった!一ラウンドでシュルトのヒザ―普通に出しただけで胸や顔面に当たる膝がクラウベのアゴクリティカルヒットした。失神KO…!強すぎる。破竹の優勝、全ての試合が試合になっていなかった。それもボブ・サップの試合のように無茶苦茶ではなくて。かつてアーネスト・ホーストが全て一ラウンドKO勝ちで優勝というのをしたことがあるがホーストが引退したこれからはセーム・シュルトの時代になるかもしれない!!!