阪神淡路大震災が起こったとき、小学三年生の僕は横浜に住んでいました。神戸には僕のおじいさんとおばあさんが住んでいました。二人は無事でした。それから三年あまり経って僕は中学校に入学すると同時に神戸に引っ越してきました。そして実際に震災で友達を亡くした人の話を聞いてこの地域に住んでいる人たちの心の傷跡をみたような気持ちになりました。阪急西宮北口駅周辺の新しい建物達は震災で壊れた町の跡に建っているのだという事を遅れ馳せながら最近知りました。僕は自分の町のことを知らなさすぎるのではないかと思いました。
一昨日の晩に阪神大震災についてのテレビ番組を見ました。試験前ということもあって少ししか見ていないのですが、ちょうどオリックスブルーウェーブが優勝したときのことが放送されていました。地元・神戸市民が震災で苦しんでいるときに野球なんかやっている場合ではないという声もあったそうです。しかしブルーウェーブの選手達はユニフォームに『がんばろう神戸』の文字を抱いて戦いました。そのシーズン中イチローはこのようにいっていました。「口ではなんとでも言えますが僕らはプロ野球選手なのでみんなを勇気づけられるようなプレーをしたいです。」と。不本意な結果に終わってしまう可能性もあったのです。そうなれば家族や友人を亡くして悲しんでいる人やそれでもこれからがんばろうとしている人たちは一体どんな気持ちになったでしょうか。しかし震災の影響でオフの練習もままならなかった中でブルーウェーブの選手達はイチローのことばで表現されたように『がんばろう神戸』を全力のプレーで表現し見事優勝を果たし神戸の町に勇気を与えたのでした。それをみて僕は涙が出そうになりました。ペ・ヨンジュン 3000万円。ミハエル・シューマッハ 10億円。オリックスブルーウェーブ priceless。
しかし、いくら想像してみても僕は震災を体験していないので実際のところをわかっているのかいないのかもわかりません。僕はオリックスが優勝したときのことを聞くと確かに感動しますが実は番組が実際以上にいっているだけで実際勇気づけられたという人はあまりいないのかもしれません。疑うわけではないのですが僕のせまい見聞では勇気づけられたという人にそういう話を聞いたことがないのです。人の中で重大なことだから考えるほどにメディアのいうことを鵜呑みにするのは嘘はいっていないにしても誇張であるとか、逆に取り上げられていない部分もあるのではないかと思ってしまうのです。もっといろいろ調べてみたほうがよさそうです。変な話ですが、想像しただけではリアルなところがわからないのでもどかしくかんじてしまうのです。こうやって考えてみたことで、誰かに聞いたりして少しでも知りたい知ったほうがいいと思いました。