今月20日の午後四時頃うちのペットのビーグル犬、マリオが庭先で倒れているのを発見されました。トップページの写真の犬です。かなり老衰していたため、心臓発作か何かだったんだと思います。享年14歳でした。

僕は20日は横浜に同窓会で出かけていました。たぶん家族は僕が楽しんでこられるように黙っていてくれたんだと思います。21日の深夜、みんなが寝静まった家に帰って電池の切れたケータイを充電器につなぐと親からのメールが何件か届いていました。それを見てあわてて普段マリオが寝床にしていた勝手口の脇に行ってみるとそこにはダンボール製の棺おけがおいてあり、その上には菊の花がおいてありました。マリオはかなり弱っていたからある程度予想はしていたけれど、やはりにわかには信じることができませんでした。恐る恐る箱を開けてみるとそこには愛用していたクッションや犬用の防寒具と一緒に動かなくなったマリオが入っていました。いつもあごの裏をなでてやると喜ぶのですが、もう冷たくなっていてなでても動くことはありませんでした。最後に会ったのはいつだったか思い出そうとすると二日前のあわただしい時だったけど案外はっきり思い出せました。ふいにマリオの姿が滲んでいって、ほとんど見えなくなりました。
マリオが初めてうちに来たのは僕が小学一年生の頃でした。それからマリオはずーっとうちにいました。僕の友達ともたくさん遊んだし、マリオのうんこを踏んだ人も中にはいました(笑)最近知ったことですが小学校の頃のうちが引っ越す前の友達でマリオのことを覚えてくれていた人はかなりいたようです。たくさんの人に覚えてもらっているということは幸せなことだと思います。僕はマリオと遊んでいて楽しくないときは一度もなかったし、対人間ではありえないレベルで心を許し合い、お互いを好きだったのではないかと思います。これ以上ない友達というか家族というか、とにかく大切な存在でした。二度と動くことのないマリオに心の中で「お前は幸せやったんか?」と問いかけてみました。動物がペットにされるという気持ちはわからないけれどおそらく僕ら家族のことを好きでいてくれたと思うし、今までマリオと遊んでくれた全ての人の中にマリオに悪くあたった人もいなかったと思います。もう尻尾も振らないし吠えることもしないし顔を摺り寄せてくることもないからはっきりとわからなかったけど痩せてしまった死に顔はそんなに不幸を映し出してなかったと願いたいです。

今日の朝ペットを埋葬して暮れる業者の人が来て引き取っていってくれました。永遠の別れです。午後からは部活に行くと言ってあったのでとてもそんな気分じゃなかったけど気持ちを切り替えて行くことにしました。長いことくよくよしていたからって帰ってくるわけでもないし、なんだかそれはマリオに対して失礼なことのように感じたからです。
学校から帰ってきたときにいつもの癖で前までマリオがいるはずの場所に自然と目がいってしまいました。玄関がいやに広く冷たく感じられました。マリオとの思い出が心の中でいやに重たくてあまり思い出すと悲しくなってきます。でもそのうちその重さはいい重さになってずっとあり続けると思います。